今週のあの店・この人
見上不動産 取締役社長 見上 廣士 さん
「自家製の地図―込めた思い―」
真っ赤なタイのマークが目印の見上不動産は、現社長の見上さんが創業した会社。玄関を入ってすぐの脇のほうには、筒状に丸めた大判の紙が何本も立ててあります。これは、函館市内の大きな地図。お客さんに配るために見上不動産がオリジナルで印刷してもらっているそうです。地図をお客さんにプレゼントするのは社長が昔から取り組んでいることで、「昔は郊外に住宅や施設が少なく、場所が分かりにくかったので」とその理由を教えてくれました。住宅が郊外に増えた今も、函館に転入してきたお客さんなどを中心にとても喜ばれているとのこと。紙質も良く、町名ごとに色分けされていて分かりやすいこの地図は様々な場所でお客さんに愛用されており、函館市内の会社の壁などに貼られていることも多いとか。地図の配布は、不動産屋さんならではのお客さんの立場に立ったサービスと言えそうです。
見上社長は、被災地への支援で新聞に紹介されたこともあります。東日本大震災後、函館市役所の担当者から「タオルが不足している」と聞いたことから、自費でタオル約2000本を用意。色とりどりのタオルに自作の応援メッセージや函館のPRなどを印刷し、一部を福島県の同業者に送ったそうです。
どんな時にもお客さんや相手の立場に立って行動してきた見上社長。思い切りの良さや面倒見の良さでこれまでいろいろな人に頼られ、そのたびに奔走してきました。「みんなに助けられてここまでやってこれたので、後は若い人に託していきたい」と語る横で、若い社員が頼もしそうにうなづいていました。
見上不動産 函館市大縄町9-19 TEL:0138-22-3300