今週のあの店・この人
ランドキャピタル 建築部 石野 明さん
「日当たり・風通し・家相… 最善の間取りを考える」
今回は、有限会社ランドキャピタルで設計を担当している石野明さんを訪ねました。石野さんがこれまでに手がけた家は、函館だけでも400戸以上あるとのこと。2013年には19戸を手がけ、インタビュー時点でそのうち5軒が施工中とのことでした。
最近多くの人に好まれているのは、フラットルーフで白と黒を基調としたシンプルモダンな外観の住宅。屋内の設備としては、対面キッチンとともに、玄関ホールからではなく居間から2階に上がることができる「リビング階段」が好まれる傾向にあるそうです。
石野さんが住宅の設計を行う際には、函館が位置する北緯42度の「日影チャート図」を必ず使用しています。これは、日の出から日没まで影がどのように移動していくかを表した図。建てる土地が決まった時点でこの「日影チャート図」を用い、周囲の家や建物がその土地に及ぼす影を計算します。影は時間によって落ちる場所や大きさが変わるため、それらをかわすようにその土地の中で家を建てる場所を決め、家の形状も変えていくそうです。これなら、建てた後で「思ったより日当たりが良くなかった」という不満が生じることもなさそうです。
設計の際にもうひとつ大切にしているのが、「家相」。よく耳にする「鬼門・裏鬼門」に玄関やトイレを作るべきでない、というものに加え、「13段の階段は作らない」「トイレにケヤキは使わない」など、建築では日本古来からの「決まりごと」があります。住宅だけでなく店舗にも、こんな店を作ると商売が衰退するとされる「忌みごと」があります。
現代では「家相」は迷信だと切り捨ててしまう人もいますが、日本で昔から受け継がれてきた「決まりごと」には、日本の気候風土に見合ったそれなりの理由や合理性が隠されています。石野さんも、もちろんお客さんの要望を大切にして設計していますが、かといって家相をまったく無視しては良い家になりません。そこで、設計が出来上がった時点でお客さんに設計の理由を説明し、より良い家に仕上げていくために建築の決まりごとを理解してもらうようにしているとのことです。
例を挙げると、たとえばお客さんが「2階に6畳2部屋と8畳1部屋を作りたい」と希望した場合、パズルのように部屋を当てはめていくことは簡単です。ですが、「幾つもの部屋をただ組み合わせていくのは『設計』とは言わず、『間取り図』を作っただけに過ぎない」というのが石野さんの考え。「日当たりや風通し、家相などを考えて最善の間取りを考えるのが本来の設計である」との信念に基づき、長く住むのにふさわしい家を作り上げていくことにいつも心を砕いています。
理想的な家を建てたいとお考えの方は、家づくりに常に真剣に向き合っている石野さんにぜひご相談してみてはいかがでしょうか。
ランドキャピタル 函館市堀川町20-3 TEL:0138-31-9080 ホームページへ